労災事故で怪我をした場合、慰謝料はどうなりますか
A. 怪我をした場合の精神的苦痛に対する慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料があり、それぞれ金額には目安があります。
慰謝料請求ができる場合
労災保険は、労災事故発生について事業主(会社)側に責任があるかどうかにかかわらず、給付を受けることができますが、慰謝料(精神的苦痛に対する賠償)は支払われません。
これに対し、労災事故の発生について事業主(会社)側に責任があれば、慰謝料について、事業主(会社)側に請求(損害賠償請求)することができます。
ちなみに、事業主(会社)側に責任があれば、労災保険給付では完全には補償を受けられない逸失利益部分や休業損害部分についても、事業主(会社)側に損害賠償請求することができます。
ここでは、それぞれの慰謝料と、それらの金額の目安についてご説明します。
なお、ここでご説明する金額の目安は、労働者側にミス(落ち度)がなかった場合のものであり、労働者側にも落ち度があった場合には、落ち度の程度(過失割合)に応じて減額されます。
入通院慰謝料
「入通院慰謝料」(入院・通院慰謝料)とは、怪我をしたために入院や通院をせざるを得なかったことで受けた精神的苦痛に対する慰謝料です。
「傷害慰謝料」ということもあります。
入院期間や通院期間に応じて金額に目安があり、交通事故で怪我をされた場合の慰謝料額の目安に概ね準じています。
この交通事故の場合の慰謝料額の目安は、東京地方裁判所基準(いわゆる赤い本基準)、大阪地方裁判所基準(いわゆる緑本基準)、名古屋地方裁判所基準(いわゆる黄色本基準)があるなど、各地の裁判所によって微妙に異なっています。
具体的な算定表は、インターネット上で、「慰謝料 赤い本基準」「慰謝料 緑本基準」「慰謝料 黄色本基準」などで検索いただければ、すぐ見つかると思います。
和歌山地方裁判所の場合、どの基準で判断されるかは特に決まりはなく、各裁判官によって適宜判断されています。かつては、いわゆる赤い本基準で判断されることも多かったようですが、最近は、いわゆる緑本基準で判断されることが多いような印象です。
なお、例えば、入院1ヶ月後に通院6ヶ月したという場合、いわゆる緑本基準によると、153万円が目安となりますが、神経症状メインで通院したような場合にはもう少し下がります。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、怪我をして後遺症が残ってしまい、労災で障害等級の認定を受けた場合に、そのような後遺障害が残ったことで受けた精神的苦痛に対する慰謝料です。
認定された障害等級に応じて金額に目安があり、交通事故で後遺障害が残った場合の慰謝料額の目安に概ね準じています。
※どのような障害が障害等級にあたるかについては、こちらをご覧ください。
(障害等級) (慰謝料額)
第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円
後遺障害が残った場合には、弁護士にご相談ください
最初にご説明しましたように、労災保険では、慰謝料は支払われません。
そのため、特に後遺障害が残った場合には、この後遺障害慰謝料を被害者側が受け取れるかどうかは、たいへん重大な問題になります。
これは、後遺障害慰謝料を支払わなければならない事業主(会社)側にとっても大きな問題となります。
そのため、事業主(会社)側が、「そもそも被災労働者側の一方的な過失による事故であって、会社に責任はない」と主張したり、「会社に責任があったとしても、被災労働者側にももっと大きな過失があった」というように過失相殺(割合)で大幅減額を主張してくる場合が少なくありません。
そうなると、本当に会社に責任がなかったのかどうかや、被災労働者側に過失があったのかどうかなど、事故原因や事故態様に関する資料を集めて検討たり,証明したりしなければなりませんが、これはなかなか大変な作業です。
そのようなとき、弁護士は労働者側の味方となって、適切なアドバイスや支援を行うことができます。
労災事故にあわれてお悩みの方は、弁護士にご相談ください。
ご相談は、電話でもメールでもLINEでも可能で、いずれも初回無料です。ご相談はこちらです。





