労災事故での治療中の方へ
ここでは、労災事故で治療中の方が、知っていきたいポイントについてご案内します。
適切な治療・検査を受ける
できるだけ早めに病院に行って
医師から適切な治療を受けましょう。
痛みがあるような部位は全部医師に説明して
早めにレントゲン撮影をしてもらいましょう。
場合によってはCTやMRI等の検査が必要になることもあります。
主治医の治療方針に不安な場合は
セカンドオピニオンの意見を聞いてみてもいいでしょうし
極端な場合には病院を変えることもあります。
ここでは、なるべく事故前の健康な身体を取り戻せるよう
できる限りの回復を目指しましょう。
休業補償給付を受ける
労働災害により休業し、賃金の支払いを受けられなかった場合に、
休業補償給付が受けられます。
休業補償給付の額は、給付基礎日額(平均賃金)の60%です。
支給されるのは、休業4日目からです。
ほかに、休業特別支給金として、給付基礎日額の20%が給付されます。
このような休業補償給付を受けることによって、
仕事を休みながらも、生活を維持しつつ、治療に専念することができます。
療養補償給付を受ける
傷病補償年金
労災保険から医療費が給付されます。
労災指定医療機関で治療を受けたときは、
直接、医療機関に治療費が支払われますので
治療費を立替払いする必要はありりません。
労災指定医療機関以外で治療を受けたときは、
いったん治療費を立替払いしたうえで、請求することになります。
傷病補償年金を受ける
治療を始めて1年6か月経過しても治癒しない場合で
一定の重い傷病(傷病等級第1級〜第3級)に該当するときに
傷病補償年金が給付されます。
証拠を集める
労災保険給付では、労働者に生じた損害の全部が補償されるわけではありません。
例えば、休業補償は60%しか支給されませんし
慰謝料は一切支給されません。
特に
後遺障害が認定された場合や、死亡事故の場合に
深刻な問題になります。
そこで
会社に責任があるかどうか
つまり
会社に注意義務違反や安全配慮義務違反があるかを検討します。
会社に責任があれば、
労災保険給付では足りない分を会社に損害賠償請求します。
労災事故の場合で会社側に落ち度(過失)がある場合
労災保険給付以外にも、会社に損害賠償請求をすることができます。
ただ、会社が任意で損害賠償請求に応じないときは、裁判などをすることになりますが
その際、事故状況を裁判官などに的確に理解してもらうのは、なかなか大変です。
例えば、機械の操作でお怪我をしたときに、
どういう機械を操作していたのかや、
本来どのような操作をすべきであったのに、誰がどのような操作をしたために
どのように機械が作動してお怪我をしてしまったかというのを
事情を知らない裁判官などに的確に分かってもらうというのは、大変だったりします。
また、事故直後や治療優は自らの落ち度(過失)を認めていた会社側が
いざ会社に損害賠償請求をしたときには、自らの落ち度(過失)を否定することがあるかもしれません。
どのメーカーのどういう機械だったのかや、事故の状況や原因などについて
例えば、メモをしたり写真撮影するなどしておくことが後で役に立つかもしれません。